スエヒロの技術を守り、受け継ぐ責任
どんな先進的な技術であっても、ある日突然誕生したものはひとつもありません。
長い歴史を通じて先人たちが生み出し、高めてきたものが今の技術に通じています。
特に日本人はこうした改良や改善に真摯に取り組む国民性を持っているので、ものづくりが国を豊かにしてきました。
末広工業の技術も、このように長い時間をかけて磨き上げられてきた技術の延長線上にあります。
だからこそ「何気なく仕事をしない」という原則を製造現場で共有しています。
毎日同じものを作る場合であっても、もっと省力化できないか、もっと安全にできないか、もっと時間を短縮できないか―こうした「もっと○○」を考えながら技術を高めてきた結果が、現在の技術や品質管理です。
これを製品づくりにいかし、次の世代に受け継いでいくことが技術屋である私たちの使命であると考えています。
製品技術その1 「直線、切断、矯正技術」
真直度0.1/1000mmという高精度の、「まっすぐ」な製品づくりを行っています。
標準の真直度は0.1/1000mmですが、特別仕様ではそれよりも大幅に精度を高めた0.05/1000mmという超高精度製品にも対応可能です。
刈払機(芝刈機、草刈機のことです)のシャフトや製造ラインで使用される搬送用シャフトなど、まんまるでまっすぐであることが求められる製品づくりは、自然に任せていると自ら曲がろうとする鋼の特性との戦いです。
この特性に向き合い求められる精度を実現するには、改良された独自の設備と、それを使いこなす技術が必要です。そして最後に、安定した高品質を生み出す人の手。これだけ自動化、ハイテク化された製造現場においても、その標準スペック以上の製品づくりをするには末広工業が磨き続けてきた熟練の手作業が決め手となります。
仕様:【標準】外径φ1.0~φ12.0まで真直度:0.1/1000mm
【特別仕様】個別相談
製品技術その2 「長尺、精密加工技術」
「長尺のスエヒロ」というイメージをお持ちの お客様もおられるほど、末広工業を象徴する技術です。
最長4000mmという長い製品であっても0.1/1000L以下の真直度を実現しています。
長くなればなるほど自重などの影響を受けるため、まっすぐであることが難しくなるのが鋼の特性です。しかし、大型液晶パネルの製造ラインで使用される搬送シャフトなど真直度を極限まで高めたシャフト製品のニーズは高く、そういった分野で末広工業のオンリーワン技術が活かされています。
刈払機部品では真直度と同軸度が振動の抑制とエネルギーロスに深く関わるため、スエヒロ品質の部品を使用することが前提となっている商品もあります。
仕様:●真直度:0.1/1000mm ●外径:~Φ50.0 ●長さ:~4000L
製品技術その3 「センタレス研削技術」
センタレス研削は、創業のキッカケとなり創業時から続く 末広工業にとって最も歴史のある事業です。
外径公差、真直度、真円度、表面粗度を決める技術で、部品としてのシャフトそのものの性能にも直結します。
金属や非鉄金属、FRP、PVCなどさまざまな材質や硬度を持つ材料に対してミクロン単位の精度で製品づくりを行っています。
必要なスペックを持つ設備を導入して適切に使用すれば、標準的な精度を実現することはできますが、数値制御だけでは不可能な特殊加工など、そこから先にあるスエヒロ品質として最後は熟練の人の手によって高められていきます。
仕様:●外径:φ0.3~Φ60.0 ●長さ:~7000L
外径公差 | 真円度(偏径差) | 面粗度 | |
---|---|---|---|
標準 | h7・h6 | 外径公差の1/3 | Rz 3.2 |
Ra 0.8 | |||
特別仕様 | h5 | 0.002 | Rz 0.4 |
(片端20L除外) | Ra 0.2 |
製品技術その4 「材料技術」
良い製品の生まれは選定された材料である。
金属は成分の配合ひとつで大きくその特性が変わるため、素材の強度、焼入れ後の硬度、靭性などバランスを考慮した材料や特殊硬度を含めた材料の選定が必要です。またCFRP製品に関してもお客様の要求に合わせた材料設計を実施し使用用途に合わせた製品を製作します。
単に材料を購入するだけではなく、最適な材料を調達するというのが我々のモットーです。国内で初めて刈払機用のパイプシャフトの量産に成功した際にも金属メーカーと何度もテストを繰り返し、抗張力を確保しつつ振動を最小限に抑えるという最終製品に適した材料レシピを生み出すことが出来ました。
これは素材の事を熟知した購買スタッフと55年の歴史で培われたネットワークを持つ末広工業だからこそ実現できた材料技術の一例です。